- 著者
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織田 茜
鏡(関塚) 真美
北島 友香
島田 啓子
- 出版者
- 看護理工学会
- 雑誌
- 看護理工学会誌 (ISSN:21884323)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, no.1, pp.12-21, 2019 (Released:2019-01-31)
- 参考文献数
- 23
本研究は妊娠後期の乳腺組織の厚みの変化を明らかにし,分娩前の乳腺組織の厚みと産後3~5日目の乳汁分泌量との関係を明らかにすることを目的とした.対象は妊娠34~35週の妊婦で,携帯型超音波診断装置(Vscan Dual Probe)を用いて妊娠34~35週より分娩前1~7日まで妊婦健康診査の時期において乳腺組織の厚みを継続的に測定した.分析対象は産褥婦14名であった.分娩直前の乳腺組織の厚み29.0mmを基準として2群に分類し,群分けしたグループと産後日数および両者の交互作用を固定効果,対象者を変量効果とした線形混合モデルで分析した結果,乳汁分泌量に関連していた固定効果は乳腺組織の厚みと産後日数であり,有意な固定効果がみられた(p=.030,.001).すなわち29.0mm以上の群ではそうではない群にくらべ乳汁分泌量が有意に多かった.以上のことより,分娩前における最終妊婦健康診査時の乳腺組織の厚みと産後乳汁分泌量との関連が示唆された.