著者
室田 昌子 北島 謙吾 岩脇 陽子 滝下 幸栄 松本 賢哉
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.4_83-4_95, 2014-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
20

アーユルヴェーダを基盤とした専門的な頭部へのマッサージ技術(ヘッドトリートメント)が心身に与える影響を明らかにする。対象者は健康な女性25名である。洗髪後に5分間,坐位を保つ統制群,ヘッドトリートメントを行う介入群Ⅰ,アロマオイルヘッドトリートメントを行う介入群Ⅱの3群を,同一対象者に1週間以上の間隔をあけて行った。生理学的指標として腋窩温,血圧,LF/HF,ストレス値を,心理学的指標として倦怠・活動的快・非活動的快,STAI状態不安を測定した。 その結果,統制群に比べてヘッドトリートメントおよびアロマオイルヘッドトリートメントは,副交感神経優位の傾向が示唆され,倦怠感や不安が減少し,のんびり感が増加した。とくに爽快感の獲得および倦怠感の軽減の持続は,アロマオイルヘッドトリートメントに特徴的であった。以上のことから,ヘッドトリートメントおよびアロマオイルヘッドトリートメントのリラクセーション効果が示唆された
著者
福本 環 岩脇 陽子 松岡 知子 北島 謙吾
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.5_45-5_53, 2014-12-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
98

目的:性暴力被害者に対する看護支援に関する研究の動向を検討し,今後の看護実践への示唆と研究課題を明らかにする。 方法:国内文献はキーワード「性暴力被害」とし『医中誌Web版』にて検索した52件を,外国文献はキーワード「rape victim」「sexual assault victim」「nurse」とし『PubMed』と『CINAHL』にて検索した39件を分析対象とした。年次推移別,研究内容別,研究方法別,研究対象別に分析した。 結果:国内では看護者による具体的なケアを検討した内容はほとんどなく,総説が7割以上を占め,質的研究はみられなかった。これに対し,海外では日本より約20年早く研究が開始され,看護者や実際の支援場面が取り上げられており,量的研究約3割,質的研究約2割であった。結論:日本においては内閣府による性暴力被害者支援施策が進められており,看護者が主体となって支援することが求められている。看護者の支援内容を具現化する研究や,看護者へのケアに関する研究の必要性が示唆された。