- 著者
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西堀 康士
柴原 藤善
武久 邦彦
北川 靖夫
久馬 一剛
- 出版者
- 滋賀県農業技術振興センター
- 巻号頁・発行日
- no.48, pp.35-52, 2009 (Released:2011-03-05)
滋賀県内の代表的な水田土壌(50地点)について、粘土鉱物組成および微生物バイオマスを調査し、一般理化学性を含めた土壌の特性を明らかにするとともに、今後食料生産や環境保全など土壌機能を多面的に活用するために、水田土壌を類型化した。1)微生物バイオマスは、炭素で343〜1653mgC/kg(平均742)、窒素で45.0〜216.7mgN/kg(平均86.5)の範囲にあり、土壌タイプと肥培管理法の影響が認められた。また、粒径組成と粘土鉱物組成には、琵琶湖や低地の形成過程が影響していると考えられた。2)主成分分析によって主成分1(主として土壌有機物と生物活性に関連する性質)、主成分2(主として塩基状態と粘土の質に関連する性質)および主成分3(主として可給態リン酸に関連する性質)の3つの主成分を抽出することができた。3)クラスター分析によって、滋賀県内の水田土壌を有機成分や無機成分の性質と組成によって特徴づけられる4つの類型に区分することができた。