著者
北村 貴文 谷口 和成
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.98-103, 2015

アクティブ・ラーニング型授業が,学習者にどのような変化プロセスを経て学習者の物理概念理解・定着を達成させるのか明らかにするために,学習者の動機づけに着目した検討を行った。理科教員を目指す初年次の大学生を対象に,アクティブ・ラーニング型授業のひとつ,Interactive Lecture Demonstrations(ILDs)を実施し,FMCEによる物理概念調査,動機づけに関する質問紙とインタビュー調査,学習観に関する記述分析と授業記録分析を行った。その結果,継続的なILDsは学習者の動機づけを上昇させ,それが望ましい学習行動につながることにより,概念理解が達成されるというプロセスが明らかになった。