著者
山崎 敏昭 村田 隆紀 岩間 徹 笠 潤平 山口 道明 萬處 展正 高田 雅之 谷口 和成 宮永 建史 藤田 利光
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.358-363, 2004
参考文献数
8

イギリスの新しいAレベル物理コース「アドバンシング物理」は,今日の社会で生かされている物理学の姿を示すことを特徴の一つとしている。電磁気学においても,実際の変圧器,発電機,モーターなどの仕組みや設計の学習を通して,電磁気学の原理を具体的に学ぶことに力点をおいている。このアプローチについての分析と評価をすると共に,日本の高校物理での電磁気学と比較検討し,日本におけるカリキュラム改善の可能性,方向性について検討する。
著者
北村 貴文 谷口 和成
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.98-103, 2015

アクティブ・ラーニング型授業が,学習者にどのような変化プロセスを経て学習者の物理概念理解・定着を達成させるのか明らかにするために,学習者の動機づけに着目した検討を行った。理科教員を目指す初年次の大学生を対象に,アクティブ・ラーニング型授業のひとつ,Interactive Lecture Demonstrations(ILDs)を実施し,FMCEによる物理概念調査,動機づけに関する質問紙とインタビュー調査,学習観に関する記述分析と授業記録分析を行った。その結果,継続的なILDsは学習者の動機づけを上昇させ,それが望ましい学習行動につながることにより,概念理解が達成されるというプロセスが明らかになった。
著者
山崎 敏昭 井上 賢 谷口 和成 内村 浩
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.101-107, 2011
被引用文献数
2

多くの問題点が指摘されている日本の高校物理における実験について,2006年に,約2,500名の大学新入生を対象とした大規模な高校物理実験の実施状況に関する実態調査を実施した。その結果,生徒実験,演示実験とも回数が少ないだけでなく,実験を数多く実施している学校とそうでない学校の間に大きな差があること,それが全国的に共通していることがわかった。今回2009年に,約3,800名を対象とした同様の調査を実施して3年間の変化をみるとともに,「高等学校理科教員実態調査」との比較も行い,物理実験を取り巻く状況を総合的に分析し,今後のあり方についての検討を行った。
著者
北野 勝久 谷口 和成 酒井 道 高木 浩一 浪平 隆男 服部 邦彦
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.19-28, 2008-01-25
被引用文献数
6

近頃の大気圧プラズマ生成技術の進展により,比較的容易,そして安価にプラズマ生成実験が行えるようになってきている.少し前までは,大学の研究室レベルでの研究内容だったが,ハンディー型のプラズマ源が開発され高校の理科教育にまで用いられるなど,大気圧プラズマ研究の裾野は着実に広がりつつある.また,印加電圧波形の制御法に工夫を凝らして,大気圧下で非平衡な低温プラズマを生成する技術も多方面から開発されており,低温プラズマの特徴を生かして熱プラズマでは不可能な高分子表面処理などの研究も精力的に進められている.本章では,簡易に大気圧プラズマを生成できる実施例をいくつか紹介しますが,読者のみなさまに大気圧プラズマに興味を持っていただき,"大気圧プラズマを点けてみよう"と思っていただけると幸いです.
著者
柳本 哲 渡邉 伸樹 大竹 博巳 深尾 武史 谷口 和成 安藤 茂樹 河崎 哲嗣 佐伯 昭彦 池田 敏和 松嵜 昭雄
出版者
京都教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

日本で初めての中高生を対象とした数学的モデリング・チャレンジのプログラムを京都で開催し,その教育的効果を検証するとともに,実施上の問題点について考察した。1回目は2013年2月に中学3年生8名が,2回目は2014年2月に高校1年生21名が,3回目は2015年2月に中高生33名が,それぞれ参加し,ボブスレー問題や電力会社収支問題などの現実問題に数学を使って挑戦した。その結果,参加した生徒は数学の有用性を再認識するとともに数学を使った問題解決に挑む楽しさを感じ取っていた。そして,このプログラム実施によって,周辺の数学科教員に数学的モデリング教材についてより明確に認知してもらうことにも繋がった。
著者
谷口 和成 村田 隆紀 山崎 敏昭 笠 潤平 岩間 徹 萬處 展正 内村 浩 藤田 利光 宮永 健史
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育学会年会物理教育研究大会予稿集
巻号頁・発行日
no.22, pp.62-63, 2005-08-06

アドバンシング物理研究会(京都・和歌山)では,イギリス「アドバンシング物理」について検討を行い,高校生を対象とした公開講座においてそれを実践する中で,日本の物理教育における探究学習の在り方やカリキュラムについての研究を行っている。今年の公開講座では,ASコース前半の「デザイナーマテリアルズ」をテーマとして取り上げる。そこでは,物質(材料)は金属,ポリマー,セラミックス,複合物などのクラスに分類され,機械的,光学的,電気的性質についての簡単な各種材料試験から,最新の「物質科学」の話題に至るまでが取り上げている。これらの内容を実践的に検討した結果,生徒が工学的観点から物質を探究できるような工夫がなされていることが明らかになった。それらの結果をふまえ,今年の公開講座の目標や展開について述べる。