著者
北澤 友美
出版者
日本運動器看護学会
雑誌
日本運動器看護学会誌 (ISSN:2186635X)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.45-51, 2019 (Released:2020-05-14)
被引用文献数
1

本研究は我が国におけるアスリートに関する研究の中から,大学生アスリートのスポーツ外傷・障害後の心 理面に焦点を当てた研究に着目し,大学生アスリートがスポーツ外傷・障害をどのように捉え,どのような心理 的特徴があるのかを明らかにすることで,看護としての援助を検討することを目的とした.文献検索を行い,16 件を分析対象とした.分析の結果,スポーツ外傷・障害を受けた大学生アスリートの心理的特徴には,不安 や競技意欲の低下などがみられた.しかし,それらは複雑で定型化できるものではなく,個人差を考慮する必 要のある事象であった.またスポーツ外傷・障害時のアスリートへの看護としての援助は,傍にいることや傾 聴を強化していく必要がある.さらに医療従事者との双方向のコミュニケーションがとれるよう支援が必要であ り,必要に応じて大学生アスリートを構成する人的因子となり得る人にも情報提供を行い,サポートを行ってい くことの必要性が示唆された.