著者
北野 喜正
出版者
一般財団法人 運輸総合研究所
雑誌
運輸政策研究 (ISSN:13443348)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.006-019, 2018-03-23 (Released:2018-04-23)
参考文献数
28

東京圏の都市鉄道は世界でも有数の利便性を誇る鉄道である.しかし,運賃は事業者ごとに設定され,乗継ぐ際には事業者別に計算した運賃を合算した併算運賃となり,シームレスなものとはなっていない.事業者ごとに初乗り運賃がかかるため割高となり,遠回りといった非効率な交通行動の一因となっている.本研究では割高な併算運賃を解消するため,現状を考慮し,よりシームレスな鉄道運賃を検討した.具体的には①現状分析から併算運賃の問題点を明らかにした.②この問題に対する国内外の取り組みを調査した.③改善案を作成しその効果を評価した.2事業者のケースでは採算性を確保しつつ,社会的厚生を増大できることを試算により明らかにした.