著者
十川 和士
出版者
香川県農業試験場
巻号頁・発行日
no.63, pp.15-26, 2013 (Released:2014-01-09)

アスパラガス半促成長期どり栽培における春芽どり収穫期と夏秋芽どり収穫期のネギアザミウマ対策として,殺虫剤の土壌灌注処理の防除効果および土壌灌注処理と紫外線除去フィルムの展張を組み合わせた防除体系の効果を検討した。1.ネギアザミウマに対し殺虫活性の高いベンフラカルブマイクロカプセル剤,メソミル水和剤およびアセフェート粒剤を用い,夏秋芽どり収穫期の土壌灌注処理を検討した結呆,メソミル水和剤1,000倍希釈液を3L/m2株元灌注することで高い防除効果が得られた。2.春芽どり収穫期におけるメソミル水和剤の土壌灌注処理は,保温直前に3L/m2株元灌注することでネギアザミウマによる若茎への被害を軽減することができ,アスパラガスの秀品率を向上させることができた。3.土壌灌注処理と紫外線除去フィルムを組み合わせた防除体系は,一般POフィルムによる慣行防除と比較し,ネギアザミウマを対象とした殺虫剤散布回数を25%削減することができた。