著者
平野 元久 新田 高洋 千石 加奈 西尾 憲侑
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.20130002-20130002, 2013-02-01 (Released:2013-02-01)
参考文献数
12

非線形最小二乗法(マルカート法)とニューラルネットワークの機能を組み合わせることにより, 花粉飛散量を予測する新しい方法を提案した. 花粉飛散量を高精度に計算するには, 発生源であるスギ林での花粉放出量を精度よく推定することが花粉飛散予測の精度向上に必須である. このために, 移流拡散方程式によって計算される空中花粉濃度の計算値が, 生活圏で測定される空中花粉濃度の観測値をよく再現するように, 非線形最小二乗法を用いて最も確からしい花粉放出量を推定する方法を提案した. 花粉飛散量を予測するために, ニューラルネットワークの学習と判断の機能を活用した. 学習機能により関心地域の気象データから花粉放出量を推定するニューラルネットワークを構成した. 予測対象日の関心地域の花粉飛散量を推定するために, 学習したニューラルネットワークを用いて予測対象日の花粉放出量を推定し, 関心地域の花粉飛散量を移流拡散方程式によって予測する手法を提案した. 予測値と観測値はよく一致することを確認した. このようにして, 非線形最小二乗法とニューラルネットワークを組み合わせた花粉飛散量の新しい予測方法を提案しその機能を確認した.