著者
堀江 正信 森田 直樹 井原 遊 三目 直登
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.20201005, 2020-11-13 (Released:2020-11-13)
参考文献数
26

メッシュは有限要素法や有限体積法で用いられる重要なデータ構造である.メッシュデータ構造はグラフと呼ばれるデータ構造の一種であるとみなせるため,メッシュを学習するために graph neural network (GNN) が広く用いられてきた.本研究では,GNN が有限要素解析の学習に有用なモデルであることを示す.提案手法では,メッシュの回転や並進に対して不変となるような形状の特徴量を入力として用いることによって学習をより効率的にしている.さらに,提案手法は学習データセットに含まれていない 100 万節点もの大きなメッシュに対しても精度を有意に落とすことなく推論ができることがわかった.
著者
松本 久也 井元 佑介 浅井 光輝 三目 直登
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.20210017, 2021-10-29 (Released:2021-10-29)
参考文献数
33

粘性流れ問題に対し海底面形状に適合した座標変換を適用した,底面境界適合型 moving particle semi-implicit/simulation (MPS) 法を提案する.また,この座標変換の際に出現する混合偏微分の計算モデルを提案する.この混合偏微分モデルは,MPS 法の既存の微分作用素モデルを包括する形で導出する.提案手法の精度検証として,混合偏微分モデルおよび曲線座標系におけるラプラシアンモデルの収束性の評価を行う.加えて,底面が曲線的な容器内の静水圧問題を解析し,底面境界適合型 MPS 法の精度を検証するとともに,三角形状障害物を有するダムブレイク問題を解析し,動的な問題への適用性を議論する.
著者
加藤 準治 谷地 大舜 西澤 峻祐 高瀬 慎介 寺田 賢二郎 京谷 孝史
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.20160001, 2016-01-18 (Released:2016-01-18)
参考文献数
41

本研究は, 超惰性体二相複合材料を対象に, 分離型マルチスケール解析法を活用してミクロとマクロ構造の両方のトポロジーを同時に最適化する「マルチスケールトポロジー最適化手法」の提案を行うものである. ここでは, 使用材料体積量一定のもとマクロ構造のエンドコンプライアンス最小化を目的関数として定義した. マルチスケールトポロジー最適化は, 材料挙動が複雑な先端材料の設計に有用であるとして, 現在様々な分野で着目されている手法である. しかし, このようなマルチスケール解析を活用したトポロジー最適化は, 実際に生じる非線形の力学挙動を考慮すると, 計算コストが大きくなり, さらに目的関数の設計変数に対する感度の導出が複雑なることから, ほとんどの研究では線形弾性体を仮定した単純な問題のみを扱ってきた. そこで, 本研究ではこの現状を打破すべく, 二相複合材料の超弾性体を対象としたマルチスケールトポロジー最適化手法の確立に挑戦するものである. この問題を解くために, 当該研究では二変数境界値問題の局所化解析を活用した新しい感度解析法を構築した. これにより, ミクロ‐マクロ構造ともに最適な「理想的な構造物」の設計が可能となる. 最後にいくつかの数値シミュレーションによって本手法の妥当性を検証した.
著者
西野 崇行 加藤 準治 京谷 孝史
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.20190004, 2019-04-10 (Released:2019-04-10)
参考文献数
28

本研究は,幾何学的非線形挙動を有する構造に対して,外荷重の方向が不確かである場合を想定し,そのロバスト性を向上させるためのトポロジー最適設計法を提案するものである.ここでは,エンドコンプライアンスの期待値と標準偏差の和を目的関数とするが,低い計算コストで精度よく期待値と標準偏差の推定を行うため,エンドコンプライアンスの2次近似式を用いる手法を提案する.そして,近似式による推定値の精度検証およびいくつかの最適化計算例を示し,本手法の妥当性を検証する.
著者
小野 謙二 古賀 壱成
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.20201004, 2020-11-09 (Released:2020-11-09)
参考文献数
32

コンピュータ、観測、シミュレーション技術などの進歩により大量のデータが生成される時代になり、データに含まれる意味や知識をえることがますます重要になっている。この論文では、与えられたデータをシンボリック回帰問題として記述し,支配方程式を見つけるプロセスを構築した。提案手法では、遺伝的プログラミングに「偏微分関数」を導入して偏微分方程式を自動生成し、生成された方程式とデータを比較評価して誤差の少ない方程式を自動抽出する。数値実験を行い、流体シミュレーションデータから支配方程式を推定し、提案手法の有効性を評価した。その結果、元の方程式が高い確率で得られ、提案された方法がデータを表すための有用なモデルを見つけるための有効なツールになることがわかった。
著者
杉原 健太 青木 尊之
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.20100018, 2010-12-03 (Released:2010-12-03)
参考文献数
20

GPUは演算性能が高いばかりでなくメモリバンド幅も広いため, CUDAのリリースによって格子系の流体計算などさまざまな分野でGPUを用いた高速計算の研究(GPGPU)が行われるようになっている. 本研究では流体の移流現象を記述する移流方程式に対して1次~6次精度有限差分法や5次精度WENO法を適用し, GPUによる実行性能の検証および評価, 複数GPUでの新たな並列計算方法の開発, 大規模高次精度移流計算の複数GPUを用いた並列計算での高速化と強スケーラビリティの検証を行う. 本研究は東京工業大学 学術国際情報センターのスーパーコンピュータ TSUBAME Grid Clusterを利用して行われた. NVIDIAのCUDAを用いてGPU上に実装する上で, 以下の方法を導入する. Global memoryへのアクセス回数を低減するためにx, y方向のデータをSM内のShared memoryをソフトウェアマネージド・キャッシュとして利用し, 各Thread内で閉じているz方向のデータはThread内の変数(Register ファイル)に格納し, 計算の高速化を図る. 3次元的に計算空間分割しBlockの数を増やすことでSMの並列実行効率を高める. 3次元領域分割法によるGPU並列計算により並列数の増加に伴い, 境界bufferのデータサイズを減少させ通信時間を短縮させる. 計算領域を7つのKernelに分け非同期実行することによる「計算Kernel, Device-Host間通信, MPI通信」3つのオーバーラップ技法を提案する.本論文では演算密度(flop/byte)と実行性能との関係に注目した評価を導入し, 低次から高次精度の差分を用いた移流計算を例に評価の妥当性を検証した. 高次精度手法は低次よりも演算密度が高く実行性能を引き出し易いことが明らかになった. また, GPU並列計算では3次元領域分割を使用し, 7個のstreamによる非同期実行によるkernel関数, MPI, Device-Host通信のオーバーラップ技法の提案をした. これらにより, 高次精度移流計算において60GPUで7.8TFlopsという非常に高い実行性能を達成した. 本研究によって以下の新しい知見が得られた. GPUの実行性能は演算密度(flop/byte)で有効な評価ができる. Shared memoryを用いたデータの再利用により演算密度は高くなり実行性能が向上する. 1GPUの実行性能が1CPU coreに比べて数十~百倍高速であり, 複数 GPUの場合はMPI通信に加えてDevice-Host間通信も必要になるため計算時間の中で通信時間の占める割合が高く, 高速化におけるボトルネックになる. 複数GPU計算において, 3次元領域分割が有効である. 本論文で提案した技法は移流計算に限らず直交格子でのさまざまなステンシル計算(例えば拡散方程,Jacobi法等の反復解法)にも適用可能であり, 汎用性が高いといえる.
著者
太田 悠誠 野口 悠暉 松島 慶 山田 崇恭
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.20220014, 2022-10-19 (Released:2022-10-19)
参考文献数
18

本研究では,自立性を満たす構造設計案を創出するためのトポロジー最適化法を提案する.まず,自立性を満たさない構造を検出するために,仮想的な物理モデルを導入する.次に,レベルセット法に基づくトポロジー最適化法を導入し,自立性を実現するための制約条件を仮想的な物理場によって表現する.自立性が求められる代表例として,音響クローキング設計問題を対象に最適化問題の定式化を行う.トポロジー導関数の考え方に基づく設計感度の表式を述べ,複数の数値解析例を示すことによって提案手法の妥当性及び有用性を示す.具体的には,提案する仮想的な物理場の特徴を説明し,自立性を満たさない構造が排除された音響クローキング構造の最適設計案を示す.
著者
下野 智史 児玉 斎 鈴木 克幸
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.20170009, 2017-07-24 (Released:2017-07-24)
参考文献数
10

本研究では, ゴルフショットにおける再現性の指標として身体負荷量を提案し, 飛距離と再現性を同時に満たすためのゴルフシャフトの最適設計を試みた. 飛距離の指標となるヘッドスピードの算出には有限要素法, 再現性の指標となる身体負荷量の算出にはマルチボディダイナミクスによる逆動力学解析を用いた. 身体負荷量は, 閾値を考慮した上半身が発揮する関節トルクの総量と定義した. 最適化計算時には, 計算負荷を考慮して応答曲面法を用いた. パレート解より, ヘッドスピードを重視した場合, 身体負荷量を重視した場合それぞれの最適ゴルフシャフト及びそのときの動作が得られた. ヘッドスピードを重視した場合の最適シャフトを作成し実証実験を行った. コントロールシャフトと比較して, 飛距離が平均8yds, 再現性の評価項目とした左右方向における弾道のバラつきが平均16yds改善された.
著者
原田 隆宏 政家 一誠 越塚 誠一 河口 洋一郎
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.20080016, 2008 (Released:2008-06-06)
参考文献数
27

本研究ではGraphics Processing Unit (GPU)上での粒子法シミュレーションをさらに高速化する手法を提案する.スライスグリッドは粒子法の計算のボトルネックである近傍粒子探索を効率化するだけでなく,計算効率も向上させるデータ構造であるが,既存研究はグラフィックスAPIを用いた実装を行なっており,一般的なストリームプロセッサ上でも有用であるかは不明確であった.そこで本研究ではまずスライスグリッドをCompute Unified Device Architecture (CUDA)を用いた実装方法を開発し,より一般的なストリームプロセッサ上での実装を示す.また本論文ではデータの時間軸上でのコヒレンシを利用したGPU上でのブロックトランジションソートを提案し,これを用いて粒子法シミュレーションのデータの空間局所性を高めて更なる高速化をはかる.そしてDistinct Element Method (DEM)を本手法を用いて実装し,近傍粒子探索を約3倍高速化し,計算全体では約1.5倍高速化した.
著者
尹 煕元 棚橋 隆彦
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2001, pp.20010048, 2001 (Released:2002-06-28)
参考文献数
8

We suggest expansion methodology for Black-Scholes equation in financial engineering field with hydrodynamics interpretation. Black-Scholes equation is famous for derivative pricing model, introducing from Ito’s process in theory of probability, and it is applying in financial area widely. Because of Black-Scholes equation based on ideal assumption, financial engineers have been devising parameters or have been creating parameter structure in the equation in order to explain financial market dynamics. They mainly have focused on diffusion term in stochastic process that is recognized as volatility on their studies. We apply the concept of advection term for financial market, and expand Black-Scholes equation. Obtaining equation can express market dynamics simply and explain derivative market distortion, volatility smile.
著者
車谷 麻緒 佐々木 浩武
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.20180008-20180008, 2018-05-17 (Released:2018-05-17)
参考文献数
22

鉄筋コンクリートには,大小様々なひび割れが発生する.大きいひび割れは構造物の力学性能を低下させ,たとえ目に見えない小さなひび割れであっても,水やイオンの移動経路となり,鉄筋を腐食させるため,構造物の耐久性を低下させる.鉄筋コンクリートに生じるひび割れは3次元的に発生・進展を繰り返すため,実験的にも,解析的にも,精度よく捉えるのが困難という問題がある.鉄筋コンクリートに発生・進展するひび割れの3次元幾何形状を精度よく再現し,その結果をわかりやすく可視化することができれば,損傷状態の直観的な理解や,複雑な力学機構の解明に役立つと考えられる. 本論文では,物理シミュレーションを用いて,鉄筋コンクリート内部に形成するひび割れ進展挙動を3次元で詳細に再現し,その3次元幾何形状を3Dプリンタを用いて立体的に造形化する方法を提案する.物理シミュレーションには,破壊力学に基づく損傷モデルを用いて,著者らが既往の研究で開発した手法を用いる.本研究の新規性および可視化の特徴は,空気の部分に当たるひび割れを立体的に具現化し,通常は見えない部材内部のひび割れ進展挙動まで3次元で詳細に造形化する点にある. 第2節では,本研究で用いる物理シミュレーションの定式化について示す.第3節では,鉄筋コンクリートの引張と曲げに関する問題を対象に,部材内部および鉄筋まわりに進展するひび割れを再現し,3Dプリンタを用いてひび割れの3次元幾何形状を造形化した例を示す.最後に,本研究の総括を行い,課題と今後の予定について述べる.
著者
近藤 雅裕 越塚 誠一 滝本 正人
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.20070021, 2007 (Released:2007-08-06)
参考文献数
10

粒子法は、界面を明示的に追跡することなく自由表面流れの計算ができる.自由表面を含んだマイクロスケールの流れでは、表面張力計算が重要となる.粒子法における表面張力の計算法は2種類計算されている.1つは、連続体力学に基づく支配方程式を離散化するもので、もう1つは、分子間力に似た粒子間ポテンシャル力による方法である.粒子間ポテンシャル力を用いたほうが計算効率はよい.しかし、これまで表面張力係数および接触角との関連が示されていなかった.本研究では、粒子法の1つであるMPS法において粒子間ポテンシャル力による表面張力の計算法を提案する.また、粒子間ポテンシャル力と表面張力係数および接触角との関連を示す.
著者
大村 浩之 三目 直登 浅井 光輝 磯部 大吾郎
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.20210011, 2021-07-15 (Released:2021-07-15)
参考文献数
26

本稿では,壁領域の角を考慮し,Incompressible Smoothed Particle Hydrodynamics (ISPH) 法のような半陰解法の粒子法に適したポリゴン壁境界モデルを開発した.基本的な理論はExplicitly Represented Polygon (ERP) 壁境界モデルを踏襲しつつ,オリジナルのERPモデルで定義されている平面ポリゴンに対する壁面寄与計算を角に対しても拡張した.そのうえで,角に対して表現された壁領域の体積を角の平面角度および立体角度に基づく近似式で補正することで,計算効率を維持しながら精度の向上を図った.開発したモデルを改良ERP壁境界モデルとし,ISPH法へ導入した.開発したモデルの妥当性を検証するため,3次元の静水圧問題およびダムブレイク問題を解いた.計算結果から,改良ERPモデルを用いた場合,従来のERPモデルと比べて理論値もしくは実験値に近く,かつ滑らかな圧力分布が得られることが確認された.
著者
中山 茂
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.20130016, 2013

Adiabatic quantum computation has been proposed as quantum parallel processing with adiabatic evolution by using a superposition state to solve combinatorial optimization problem, then it has been applied to many problems like satisfiability problem. Among them, Deutsch and Deutsch-Jozsa problems have been tried to be solved by using adiabatic quantum computation. In our previous paper, it has been shown that the adiabatic quantum computation in Deutsch problem is modified by using a cubic step function instead of a linear step parameter. In this paper, it is proposed to solve Bernstein-Vazirani problem more efficiently by the same cubic method to obtain a solution with higher observation probability of 99.6%.
著者
今村 敬 古賀 浩二 荒牧 軍治
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.2001, pp.20010044, 2001

Object Oriented Programming (OOP) has been proposed for developing sophisticated software that needs future expansion. Successful applications of OOP in different fields such as graphic data processing and basic OS etc. is intensively reported in the literature. To apply OOP technique in softwares for structural analysis, the target structure is represented by the basic objects (beam, truss, etc.) using key concepts such as encapsulation, polymorphism and inheritance. These features facilitate easy development and management of the program. Yagawa and Kanto<sup>(1)</sup> proposed class structure in structural analysis program to apply OOP technique. They showed advantages of OOP for a two-dimensional linear problem. Referring their work, we have developed seismic design program for bridge, in which some new classes, class members, class member functions were developed. It has been shown that with newly developed classes, class members and class member functions and OOP techniques, the modification and expansion of program can be more easily achieved comparing with other researchers proposal, and of course traditional procedural programming technique.
著者
古賀 浩二 馬被 健次郎 今村 敬 荒牧 軍治
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.20030008, 2003

Usually, main parts of computer programs of structural calculation consist of complicated mathematical expressions, and generally speaking, these expressions are classified into two categories. One category represents relational expressions which are derived directly from physical laws, mathematical formulas and geometrical constraints, and the other category represents calculative expressions which are derived from numerical methods applied in the structural computation. The aim of this paper is to introduce a new tool in the object oriented programming for the purpose of making computer programs in structural calculation simple and easy to write. We introduce a new object class which represents an relational mathematical expression, and a new computational mechanism relating to the object class. One can assume that the relational expression holds throughout the program if one declares and makes the instances at the beginning of the program. By the use of the new tool of OOP in the structural calculation, one can separate relational expressions, which should be declared at the beginning of the program, and the other calculative expressions. As a result, one can make computer programs, whose main part consists of calculative expressions only, by assuming that the declared relational expressions hold throughout the program.
著者
小川 竣 山田 崇恭
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.20210004, 2021-03-18 (Released:2021-03-18)
参考文献数
22

本研究は、過渡的に変化する外荷重に対して構造物の最大応力を低減するためのトポロジー最適化手法を提案する。任意の波形を持つ外荷重を取り扱うため,運動方程式の解法は、ニューマークのベータ法による逐次積分法を採用する。さらに、解析で対象としている全時刻で生じる最大ミーゼス応力を最小化するための新しい目的関数を定義する。随伴変数法と高い精度で感度が得られる Discretize then differential approach の考え方を適用した過渡応答問題の解析感度を定式化する。定式化した感度は,有限差分法をベンチマークとした精度検証を行うことによって理論の妥当性を示す。最後に、複数の最適化計算を示すことで、提案手法の有効性を確認する。
著者
小川 竣 山田 崇恭
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.20210005, 2021-04-01 (Released:2021-04-01)
参考文献数
22

本研究では、過渡的に変化する温度分布を制御する最適構造の創成を目的に非定常熱伝導問題のトポロジー最適化手法を提案する。非定常熱伝導問題における温度分布の履歴依存性を感度解析において考慮するため、最も汎用性が高く、解析条件によらず高い精度で感度を計算できるDiscretize then differential approachを応用し,感度の詳細な定式化を行う。さらに、物体領域の熱伝導性を担保しながら、任意の温度分布に制御できる構造を導出するため、熱コンプライアンスと目標温度との2乗誤差による重み付け総和関数による目的関数を新たに定義する。定式化した感度は、有限差分法をベンチマークとした精度検証を行うことによって理論の妥当性を示す。最後に、複数の最適化計算例を示すことで、提案手法の妥当性を示す。
著者
村井 直樹 野口 悠暉 山田 崇恭
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.20210009, 2021-05-21 (Released:2021-05-21)
参考文献数
39

本論文では,高材料定数比均質化法とレベルセット法に基づくトポロジー最適化法を組み合わせた方法論を提案し,電磁メタマテリアルのユニットセル構造の最適設計を行う.高材料定数比均質化法は,メタマテリアル内を伝搬する波動の振る舞いを厳密に評価可能な手法であり,広い周波数帯で有効である上に従来の均質化法では困難であった局所共振現象の評価が可能である点を特長とする.まず,高材料定数比均質化法について概説した上で,ユニットセル構造を設計変数とし,均質化係数を目的関数とする最適化問題を定式化する.次に感度解析を行い,最適化に必要な設計感度を形状感度とトポロジー導関数の概念に基づき導出する.数値解析例では,負の透磁率を示すユニットセル構造の最適化例を示す.さらに,得られた最適構造を周期的に配列させたメタマテリアルに対してヘルムホルツ方程式によるマクロ応答の解析を行い,提案手法の妥当性を示す.
著者
酒井 虹太 野口 悠暉 山田 崇恭
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.20210018, 2021-11-01 (Released:2021-11-01)
参考文献数
19

本研究では,幾何学的特徴量に対する偏微分方程式を用いて,型による成形製造の可否を判定する数理モデルを提案する.さらには,提案するモデルとレベルセット法に基づくトポロジー最適化を用いて,型による成形製造を前提としたトポロジー最適化法を提案する.最初に,型による成形製造において要求される幾何学的制約条件を明確化する.次に,法線ベクトルを仮想的な物理モデルによる定式化を行う.さらには,製造性に関する幾何学的制約条件を具体的に定式化する.また,有限要素法を用いたトポロジー最適化の具体的な数値解析アルゴリズムを提案する.最後に,二次元及び三次元の数値解析例を示し,本提案手法の有効性と妥当性の検証を行う.