著者
神戸 克明 中村 篤司 千葉 純司
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.29-34, 2012-03-30 (Released:2015-12-30)
参考文献数
6

目的:メトトレキサート(MTX)投与下の関節リウマチ(RA)患者における血清TNF-αと血清IL-6濃度に関連する臨床的因子を解析すること. 方法:RA24例(男性3例,女性21例,平均年齢56.6歳,平均罹患期間13.3年,平均MTX使用量5.48mg/週,平均プレドニゾ口ン使用量3.98mg/日,平均CRP3.07mg/dl,平均DAS284.44)の血清TNF-αと血清IL-6濃度を測定し,臨床的因子との相関関係を調査した. 結果:24例の平均血清TNF-α濃度は3.63±2.72pg/mlで,平均血清IL-6濃度は30.0±26.0pg/mlであった.TNF-αは46%(11/24例)で基準値上限の1.3倍でありIL-6は100%(24/24)基準値を超え基準値上限の7.5倍であった.MTX投与下における血清TNF-αと血清IL-6に有意に関連する因子の解析では,TNF-αとCRP,IL-6と年齢,IL-6とMMP-3に正の相関を認め,IL-6とMTX投与量に負の相関を認めた. 結論:MTX投与下では血清TNF-αと血清IL-6濃度に関してIL-6が基準値上限より高い傾向にあり,IL-6はMTX投与量に依存して減少が見られた.MTX投与下においてCRPはTNF-αと相関し,MMP-3はIL-6に相関するマーカーとして有用である.