- 著者
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千貫祐子
- 出版者
- 医薬ジャーナル社
- 巻号頁・発行日
- pp.48-55, 2017-12-15
筆者はこれまでに,本邦における獣肉アレルギーの主要な原因抗原エピトープが米国からの報告と同様,糖鎖galactose-α-1, 3-galactose(α-Gal)であることを報告した。α-Galが原因の獣肉アレルギー患者は,交差反応のために,抗悪性腫瘍薬のセツキシマブやカレイ魚卵にもアレルギーを生じる。そして,マダニ唾液腺中にα-Galを証明したことにより,獣肉アレルギーの感作原因がマダニ咬傷であろうことが判明した。さらに,筆者は最近,飼い猫に感作され,交差反応のために豚肉アレルギーを発症したと思われるpork-cat syndromeの小児例を経験したので紹介する。