著者
単 聯成
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.96-107, 2004

中国の改革開放政策の進展にともない、都市における「単位」制度は変容してきた。その変容とは、経済機能以外の都市社会管理機能が「単位」から地域社会へ外部化されることを内容とする。その過程の中で、「社区建設」が中央政府によって政策として打ち出され、それを担う主体として居民委員会が位置づけられた。社区サービスをはじめ、都市社会管理機能をどのように展開するか模索が続けられた。しかし社区建設は2000年11月に転機を迎える。中央政府が「全国的範囲で都市社区建設を推進する民政部の意見」を公表して以後、都市コミュニティ政策は、社区の規模、社区幹部の配置など、組織の再構築に向けて全面的に調整され始めるのである。新たな都市コミュニティ政策は、居民委員会を基に再編された社区居民委員会を主な担い手と位置づけ、住民組織と社区内組織の協力関係の構築を重視しながら、都市社会管理機能の強化を目指そうとしている。