著者
卞 載雄
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学総合研究所紀要 (ISSN:1346048X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.41-59, 2013-03-29

1974年に設立されたスペインを代表するブランド,ザラ(ZARA) は親企業Inditex 社の中で最も人気の高いブランドであり,現在の中・低価格ファストファッション(SPA) 企業の代表格である。ザラは現在世界82ヵ国1900余の売場で年間2万5000点の製品を発売している。親企業であるInditex 社は2011年20兆8000億ウォンの売上を記録した世界ファッション小売業1 位の企業で,時価総額基準でスペイン第一の企業である。ザラ韓国は,2008年進出という短い期間にもかかわらず,現在27の売場を営業しており,国内売上800億ウォン(2010年),当期純利益36億ウォンと成功のうちに著しい成長を遂げている。2011年全世界の売上は12兆9976億ウォンである。この成功したザラの戦略は,強力なグローバルブランドの認知度を見ても明らかで,最近44位(2011年) に上昇した。本研究では,4Ps 戦略,競合社ユニクロとの比較,ポジショニング分析を通じて,ザラのグローバルマーケティング戦略を分析する。ザラのグローバルマーケティングが成功した秘訣は,実用的なデザインと素早い流行の反映高級イメージの構築,ブランド戦略,スピード第一主義,生産時間を最小化する秘訣,多品種少量生産方式の採用,大規模自社工場の運営,趣の異なる売場雰囲気の演出等様々なマーケティング促進技法を効率的に用いる点にある。このような戦略はSPA 競合社ユニクロ社のsimple, basic, no brand,少品種大量生産,外注依存,派遣品質管理などの戦略的な相違点を示している。ザラはこのように消費者の欲求を満たすために従来のファッションビジネスモデルを革新,つまり内部業務ルートの革新によって消費者の欲求を満たすシステムを構築して今日の成功を収めた。この点の研究に関心が高まっている。