著者
原 久太郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.556-559, 2016-05-15

日本で1969年から行われている情報処理技術者試験は,2000年以降アジアに展開されているが,そのアジア展開の経緯,現状,課題等をまとめる.情報処理技術者試験のアジアへの展開はASEAN+日本・中国・韓国の経済大臣会合を契機として始まった.日本のアプローチは,当時すでに国内にITに関する国家試験が存在していた国々に対するものと,当時国家試験が存在しておらず,日本が創設を支援した国々に対するものの2つに大別される.後者の国々では,各々問題作成にも取り組み始めたが,その後,協力して共通の試験問題を作る体制を構築し,2006年以降アジア共通統一試験(ITPEC試験)として実施されている.最後にITPEC試験をとりまく状況や課題をまとめる.