- 著者
-
伊藤 彰英
岩田 浩介
紀 杉
薮谷 智規
木全 千泉
猿渡 英之
原口 紘〓
- 出版者
- 公益社団法人日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.2, pp.109-117, 1998-02-05
- 被引用文献数
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21
28
誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)及び誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-AES)を, 日本分析化学会より頒布されている河川水標準物質(JAC 0031, JAC 0032)中の微量元素の多元素定量に適用した. ICP-MS及びICP-AESによる多元素分析においては, 河川水試料の直接導入法とともに微量元素に対してキレート樹脂濃縮法を併用することにより, 河川水標準物質中の37元素の定量を行うことができた. Caの12300からTmの0.00012μgl^<-1>まで9けたに及ぶ広い濃度範囲の定量値が得られた. 認証値が求められている元素については, おおむね認証値と一致した結果であった. 又, 希土類元素についても, すべて定量することができ, 頁岩中濃度で規格化した希土パターンでは重希土類元素の相対存在度が高く, Ceの負の異常がある天然水特有のパターンが得られた.