著者
林田 和之 堀 耕太 寺住 恵子 佐々木 妙子 原口 英里奈
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
pp.35.3_11, (Released:2021-07-06)
参考文献数
16

【目的】消防職員に対してBleeding Control (以下B-Con) 教育の有効性を検討する. 【方法】professional first responder (専門的ファーストレスポンダー) となる消防学校救急科の学生80名に対し, 米国で行われているimmediate responders対象のStop the Bleed (以下STB) コースを行った. 受講前後の意識変化 (10段階自己評価形式 : リッカート尺度) を評価し, その結果で消防職員へのB-Con教育の有効性を検討した. 【結果】受講前後で比較すると, 技術・知識・教育のすべての項目で有意に上昇した. とくに他者指導の自信も有意に上昇した. 【結語】定期的な技能維持は必要ではあるものの, 消防職員に対しSTBコースによるB-Con教育は有効であり, 外傷初期診療体制におけるファーストレスポンダー教育を確実に行うために, 消防職員への教育を強化すべきである.