著者
原子 純
雑誌
尚美学園大学総合政策論集 = Shobi journal of policy studies, Shobi University (ISSN:13497049)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.77-89, 2014-12-25

遊びによって、一人ひとりの子どもに期待される健康な心と身体、豊かな感情や社会性、積極的にものごとに取り組む意欲や態度などの発達は、日々の生活の中で、身近で具体的・直接的な遊びを通して、総合的に助長されていくものである。このように遊びは、子どもに開放感や楽しさや満足感を与えると同時に、子どもの心身の能力や態度を発達させ、子どもの人間形成(人格形成)にとって重要な役割を担っている。今日では、遊びを知らない子どもや遊べない子どもが増加しているといわれている。みんなと遊びたいという欲求は持っているけれども遊びの中に入っていけない子ども、年長児になっても基本的生活習慣の出来上がっていない子ども、自然に触れあう経験の乏しい子ども等、こうした子どもたちは社会の変化の中で生まれた子ども達の姿である。そういった中で、幼稚園教育要領や保育所保育指針にも述べられているが、幼稚園や保育所では、子どもたちを遊びの中で主体的に活動に取り組むよう、子どもを育てなければならないのである。本研究は、子どもの成長における遊びの意義について文献調査により整理する。そこから子どもの遊び環境の構成と創造について考察する。