- 著者
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原岡 秀樹
遠峰 菊郎
川端 隆志
宮本 一彦
深渡瀬 角太郎
- 出版者
- 日本気象学会
- 雑誌
- 天気 (ISSN:05460921)
- 巻号頁・発行日
- vol.42, no.6, pp.369-379, 1995-06-30
- 参考文献数
- 14
- 被引用文献数
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三沢飛行場における海霧の予報に資するため,1992年6月22日から7月14日の間,飛行場の東南東約6kmに位置する三沢漁港において,小型係留ゾンデを用いて大気境界層内の観測を行い,海霧の発現前後の温湿度場及び風系の鉛直構造を調べた.海霧発現時には,高度300m以下に気温傾度が2℃/50m程度の逆転層が形成され,その底部は200m付近に位置することが多く,混合層内よりも逆転層下層の方が比湿が大きくなっていることが分かった.また,海霧が発現した場合は逆転層内に比湿の大きな湿潤域が存在していたのに対し,発現しなかった場合は湿潤域が存在しなかった.逆転層下層において比湿が小さいと,ここに湿球温位から見て不安定な層が形成され,逆転層底部での乱渦混合が凝結を妨げるように働くと考えられる.このことから,逆転層内に比湿の大きな湿潤域を持つ,逆転層下層において湿球温位からみて安定な場で海霧が発現し易いことが分かった.