- 著者
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土岐 憲三
岸本 英明
古川 秀明
酒井 久和
- 出版者
- JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
- 雑誌
- 日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
- 巻号頁・発行日
- vol.7, no.5, pp.45-59, 2007 (Released:2010-08-12)
- 参考文献数
- 23
- 被引用文献数
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京都盆地に点在する文化遺産に対する防災対策を目的に、花折断層を想定地震とした京都盆地全域の強震動予測を3次元非線形有限要素解析により行った。解析では、絶対応答変位による定式化、共役勾配法、修正Newton-Raphson 法、並列計算を導入し、計算機資源および計算時間を節約した。京都盆地全域の非線形堆積地盤モデルに対して、シナリオ地震における基盤岩での強震動予測波形を多点異入力し、地震動評価を行った。検討の結果、文化遺産の集積密度の大きい東山山麓をはじめ、計測震度7の領域が京都市の第3次被害想定の計測震度分布よりも大きくなり、震源、深部地盤構造、堆積層の不整形性、土の非線形性を同時に考慮することの重要性が示された。