著者
古市 裕子 神浦 俊一 福山 丈二
出版者
Japan Society for Environmental Chemistry
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.247-257, 2005-06-24 (Released:2010-05-31)
参考文献数
20

水分の影響を受けにくいグラファイトカーボン系吸着剤 (Carbopack Z) を用いて大気中の不飽和エステル類, すなわちアクリル酸メチル (MA) , アクリル酸エチル (EA) , メタクリル酸メチル (MMA) , メタクリル酸エチル (EMA) およびメタクリル酸ブチル (BMA) を加熱脱着-GC/MS法で分析する手法を開発した。吸着管にはガラス管にCarbopack Z (スペルコ社製) 100mgを充填したものを用いた。また, 加熱脱着装置にはパーキンエルマー社製ATD-400を使用した。吸着管に0.5ngの標準物質を添加し, 7回繰り返し分析して得られた標準偏差から求めたIDL (装置検出限界) は32pg~103pgであった。同様にして求めた大気を10l捕集したときの検出限界は4.9~16ng/m3であった。添加回収率, 保存安定性とも良好であった。