- 著者
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吉岡 和晃
- 出版者
- 金沢大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2011
本研究において申請者らは、発生期・生後の生理的および病的(虚血、腫瘍)血管新生ならびに血管恒常性維持にクラスII型PI3K-C2αが重要な役割を果たすことを明らかにした。内皮細胞においてC2αをノックダウンすると、エンドソーム輸送の障害、VE-カドヘリンの配送異常が引き起こされた。C2αヘテロ欠損マウスでは、アンジオテンシンII投与に対する解離性大動脈瘤形成の発症率上昇が見られた。以上のことから、C2αは血管内皮細胞において、小胞輸送の制御を介した物質輸送及びエンドソーム上でのシグナル伝達に必須であり、これらの作用により血管形成と血管の健全性維持に重要な役割を担うことが明らかになった。