著者
吉村 均
出版者
(財)東方研究会
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

チベット仏教各宗派はラムリム(菩提道次第)に基づき学習・実践をおこなうが、それはインドのナーガールジュナ(龍樹)による苦しみからの解放の方法としての仏教の体系化に基づくもので、無我とトンレン(自分の楽を与え他の苦を受け取る)の瞑想を核とするロジョン(心の訓練法)はそのエッセンスである。近年の欧米での仏教への関心はその実践性にあるが、上記の理解を踏まえて日本仏教の道元や親鸞の教えを読み直すことで、現代社会における可能性を探った。