著者
吉村剛 河野健二
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2014-OS-130, no.10, pp.1-12, 2014-07-21

Linux カーネルにおいてバグ対策は不可欠である.しかし,コードの大規模化に伴い,バグ対策のために必要となるシステム全体の深い知識や誤りやすいパターンを把握することは難しい.特に誤りやすいパターンを把握するためには過去に大量に蓄積されたバグ報告やパッチの変更履歴を把握しなければならない.本研究は linux のパッチ 37 万件に対してパッチの説明文を自然言語処理し,トップダウンクラスタリングを用いることで全体の中でより高い頻度で発生した話題を抽出し,パッチ集合を 66 クラスタに分割してバグの実態調査に利用する.調査の有用性を示すため,割り込みに関するクラスタを調査してバグパターンを定義し,コード解析による検査を linux 3.15 において行って 2 件のバグを発見した.