著者
吉松 純 Jun Yoshimatsu
出版者
金城学院大学キリスト教文化研究所
雑誌
金城学院大学キリスト教文化研究所紀要 = Bulletin of Christian culture studies Kinjo Gakuin University
巻号頁・発行日
vol.23, pp.1-31, 2020-03-31

フィンセント・ファン・ゴッホもマルク・シャガールも世代を超えて愛されている画家。バーネット・ニューマンは戦後のニューヨークの抽象芸術の一線で活躍した画家です。しかし,この3人の表現法はとても違います。何か共通することはあるのでしょうか。それは彼らの信仰にあります。ゴッホはオランダ改革派教会に生まれ育ち,聖書や教会などを作品の中に描いています。ユダヤ教はシャガールやニューマンに影響を及ぼしました。何世紀にもわたり十戒,とりわけ偶像礼拝につながる創作活動を禁じた第二戒はユダヤ人が芸術家を志す夢を打ち砕いてきました。シャガールもニューマンもそれと対峙して自分の絵を完成しました。この講演では,聴衆者に3人の芸術への思い,信仰をご紹介し,作品をより深く堪能する切っ掛けとなければと願っております。