著者
吉田 あや子
出版者
西南女学院大学
雑誌
西南女学院大学紀要 (ISSN:13426354)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.90-99, 2003-03-29

本研究は,小学2年生の描画と説明文を中心に分析した結果,健康教育の実践に役に立ついくつかの考慮すべき児童の健康認識が促えられた。多くの子どもが,友達と楽しそうに遊んでいる様子を描いており,遊びや運動が心と体を元気にする上で重要と考えており,ケンカしないことや生き物を大切にすることも,心を元気にすることにつながるのだと捉えていた。一方,早寝・早起き,好き嫌いのない食事,うがいや手洗いなどはあまり実行されていなかったが,重要なことと理解し,実行しようとする姿勢がみられた。以上のことから,小学校低学年においては,心の中にある印象・記憶をそのまま描画で表現しようとする子どもの特性を活かし,描画を取り入れた授業が効果的な健康教育になり得る事が示唆された。