著者
松本 茂樹 吉田 勝俊
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
「運動と振動の制御」シンポジウム講演論文集 2015.14 (ISSN:24243000)
巻号頁・発行日
pp.360-365, 2015-06-22 (Released:2017-06-19)

In this study, we conduct experiments of human balancing task and present a stochastic dynamic model of the human balancing task. The parameters of the stochastic dynamic model are identified using particle swarm optimizers. Tn order to examine stochastic behavior of the human balancing, we experimentally estimate probability density function of the state quantities. The experimental result implies that the behavior of the human balance seems to be fat-tailed distribution. This experimental observation was reproduced by the model that has additive and multiplicative white Gaussian noise. This work has implications for designing human-like motions of artificial agents such as human-like partner robots.
著者
西沢 祐介 田中 寛人 吉田 勝俊 佐藤 啓仁
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
Dynamics & Design Conference
巻号頁・発行日
vol.2006, pp."108-1"-"108-5", 2006-08-06

非線形振動系とその複製に共通の不規則外乱を与えると,両者の応答が同期する現象が知られている.任意の初期値から同期状態へ到達するまでの収束時間は,パラメータ条件の選び方に大きく依存するが,未検討である.そこで本報では,このような収束時間のパラメータ依存性を,統計的等価線形化法によって定量評価してみる.具体例として,ランダム調和入力を受ける系(式(Al))と,狭帯域ランダム入力を受ける系(式(A2))を取り上げる.x+cx+kG(x_0+x;μ)=Q+P_<cos>(ωt)+sw(t) (A1) {x+cx+kG(X_0+x;μ)=Q+F(t) F+2ζω_nF+ω^2_nF=sw(t) (A2) G(x_0+x;μ)={x_0+x+μ (x_0+x&le;-μ) 0 (-μ<x_0+x<μ) x_0+x-μ (x_0+x&ge;μ)以下の数値例では,式(A1)に対してc=0.04, k=1,0, Q=0.3, P=0.2,μ=0.7, s=0.02とする.図A1は,式(A1)から求めた同期誤差の見本過程の一例を表わす.ω=1.07に対する図A1の(a)の結果では同期までの収束時間はT=195程度だが,ω=0.81に対する図A1の(b)では, T=18973程度を要する.このように,同期に至る収束時間にはパラメータ依存性がある.同期可能なパラメータを推定する常套手段として,式(A1)の系の最大リアプノフ指数を入力周波数ωの関数としてプロットしたのが図A2である.先ほどの条件ω=1.07,0.81に対する最大リアプノフ指数はそれぞれλ&ap;-0.102,-0.101となり,収束時間の変化は捉えられない.そこで,積率微分方程式を用いて式(A1)の分散応答を求めた結果を図A3の上段に示す.ω=0.77,0.92を跳躍点とする跳躍履歴現象が見られる.図A1の収束時間と比較すると,収束時間が短い条件ω=1.07は跳躍履歴現象の外部に位置し,収束時間が長い条件ω=0.81では内部に位置している.すなわち,積率微分方程式の跳躍履歴現象の有無によって,同期への収束時間を評価できる可能性が明らかになった.この仮説を確かめるため,図A3の下段に,サンプルiの初期値x_kに対する収束時間をT_i(x_k)とするときの平均収束時間〈T>= 1/(MN)Σ^M_<i=1>Σ^N_<k=1> T_i(x_k)を示す..M=100, N=5×5とした.収束時間が長い条件ω=0.81は,積率微分方程式の跳躍履歴現象の発生領域に含まれており,式(A1)の積率微分方程式の跳躍履歴現象は,同期の収束性が悪化するための十分条件を与えている.なお,式(A2)の場合には逆に必要条件を与える.