著者
吉田 喜司
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉醫學會雜誌 (ISSN:00093459)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.344-374, 1936-03-28

家兎に於ける三叉神經切斷後眼球内臟反射(眼球肺臟,眼球心臟,眼球血管反射)は甚だしく?退するも全く消失するに至らない。同様に視神經切斷も之を减弱せしめるが,三叉神經に比較しては其の程度が幾分弱い。両神經を同時に切斷する時始めて本反射全く廢絶する。故に三叉神經の他,視神經も亦眼球内臟反射求心脚として一定の役目を演ずるものである。動眼神經は本反射と何等關係はない。頸部交感神經切除は本反射を増強せしめる。故に本神經は眼球内臟反射に對し求心性抑制的作用を呈するものである。新字体抄録:家兎に於ける三叉神経切断後眼球内臓反射(眼球肺臓,眼球心臓,眼球血管反射)は甚だしく減退するも全く消失するに至らない。同様に視神経切断も之を減弱せしめるが,三叉神経に比較しては其の程度が幾分弱い。両神経を同時に切断する時始めて本反射全く廃絶する。故に三叉神経の他,視神経も又眼球内臓反射求心脚として一定の役目を演ずるものである。動眼神経は本反射と何等関係はない。頚部交感神経切除は本反射を増強せしめる。故に本神経は眼球内臓反射に対し求心性抑制的作用を呈するものである。