著者
吉田 義雄 土屋 七郎 定盛 昌助
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.96-102, 1963 (Released:2007-05-31)
参考文献数
14

1959~61年の3か年にわたつて, リンゴ20品種および31 F1実生を交配親として, 167組み合わせの交配を行なつたところ, 結実不良の組み合わせが認められた。また交配組み合わせにより3枚子葉を有する実生の発現が異なるのがみられた。1. Golden Delicious とYellow Newtown のF1であるG. Y-53, G. Y-44 の戻し交配では偏父性不親和を示し, さらに相互不結実であつた。2. M. W-107×M. W-30, J. W-50×J. W-32, J. G-84×J. G-51, R. D-329×R. D-125の如く両親の同じF1実生同志の交配において不結実を示す組み合わせがあつた。3. Red Gold (G. D)×J. G-51, 恵 (R. J)×J. G-51の如く, 片親の同じF1実生同志の交配においても, 不結実を示す組み合わせが認められた。4. 両親の異なるF1実生あるいは品種の交配では, いずれも結実が良好で交配不親和性は認められなかつたが, R. J-259×Red Gold (G. D) は2年連続結実不良であつた。5. Early Red Bird は♀の場合いずれの組み合わせでも結実が悪く, 〓の場合はいずれも結実が良好であり, 交配不親和とはおもむきが異なつた。6. 実生幼植物時代に3枚の子葉をもつ個体の発生割合は, 組み合わせによつて異なり, とくに王鈴が♀の場合に高かつた。