著者
吉田 陽亮 生野 公貴 庄本 康治
出版者
Japanese Society for Electrophysical Agents in Physical Therapy
雑誌
物理療法科学 (ISSN:21889805)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.45-52, 2014 (Released:2022-09-03)
参考文献数
35

【目的】人工膝関節全置換術(TKA)後症例に対する感覚強度の神経筋電気刺激(NMES)の効果について予備的に検討した.【方法】対象はTKAを施行した症例16名とし,NMES群8名と非実施群8名に割り付けた.術後3週目より5日/週×2週間,感覚強度のNMESを大腿四頭筋へ実施した.評価は,最大膝伸展筋力(MVIC),下肢骨格筋量(LSMM),Timed Up and Go test(TUG),2分間歩行テスト(2MWT),Stair Climbing Test(SCT),Visual analogue scale(VAS),Japan Knee Osteoarthritis Measure (JKOM)を測定した.【結果】術後4週目のMVICと2MWT はNMES群で有意に改善し(p<0.05),術後8週目でも改善傾向を示した.【考察】感覚強度のNMESは筋力と歩行能力を改善させる可能性がある.
著者
吉田 陽亮
出版者
Japanese Society for Electrophysical Agents in Physical Therapy
雑誌
物理療法科学 (ISSN:21889805)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.06-11, 2019 (Released:2022-09-03)
参考文献数
27

サルコペニアは,身体的な障害や生活の質の低下,および死などの有害な転帰のリスクを伴うものであり,進行性および全身性の骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群である.また直接的な原因が神経学的問題に起因するものではなく,老嚥,低栄養,侵襲といった要素が加わる事で摂食嚥下関連筋の減弱が生じることをサルコペニアの摂食嚥下障害としている.神経筋電気刺激(NMES)は生体に電流を流すことで伴う生理学的な反応を応用した物理療法の一つであり,筋萎縮予防や筋力増強に有効なツールである.サルコペニアの原因を評価した上で,各症例に合わせた方法かつNMESによる生理学的作用を適切に応用し介入する必要がある.