著者
遠藤 正之 仁科 良 呉 瓊
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.5, pp.986-993, 2008 (Released:2012-08-02)
参考文献数
2

腎生検組織標本は光学顕微鏡,蛍光抗体法,電子顕微鏡の3種類で観察する事が必要であり,なるべく薄く切られた切片で観察する事が重要である.糸球体疾患は病理組織診断にて確定診断が下され,患者の腎機能予後の推定ならびに治療方針の決定がなされる.本稿では,腎生検標本の標準的な染色とその特徴,標本を観察する上で必要な基本的病変の定義,比較的頻度が高い腎疾患の組織像と,典型的病理像を示す疾患について概説した.