- 著者
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             安部 巌
             
             和泉 圭二
             
             倉本 成史
             
             武者 宗一郎
             
          
- 出版者
- 公益社団法人日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.8, pp.427-431, 1982-08-05 
- 被引用文献数
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        屋久杉をその年輪に沿って紬かく裂き,外皮側より1084年から1474年内での8箇所でそれぞれ,アミノ酸を分離し,光学活性固定相を用いたガラスキャピラリーガスクロマトグラフィーでその挙動を観察すると,アラニン(Ala),バリン(Val),アスパラギン酸(Asp),フェニルアラニン(Phe)の4種がラセミ化しており,特にAspでは年輪の増加に伴うD/L比の規則的な増大がみられた.屋久杉年輪の年代はAsp D/L比よりの次の2方式すなわち(I)1本の年代を既知として作成した検量線,及び(II)2本の年代を既知として作成した検量線,により求め,年輪年代との比較を行った.推定値標準誤差は,それぞれ(I)39.8年,(II)29.6年となり,方式(II)は年輪年代により接近した測定年代を示した.