著者
高野雅典 和田計也 福田一郎
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MPS-95, no.20, pp.1-6, 2013-09-19

最近のソーシャルゲームでは,ユーザはギルドというチームを組み協力して課題を達成することを目的としたものが多い.このとき,同じギルドのユーザは基本的には協力関係にあるが,他方の振る舞いが必ずしももう一方にとってプラスになるとは限らず,複雑な社会関係が存在している.本稿ではそのような社会構造を持つソーシャルゲームの特定の状況に焦点を当て,ユーザの関係性や振る舞いを分析する.その状況を分析した結果,その特定の状況におけるユーザ間の関係は SnowDrift ゲームに類似しており,そこでのユーザの振る舞いに基づきユーザを利他的・非利他的という性質で分類できた.また,利他的なユーザ同士はある程度固まってギルドに所属しており,利他的なユーザ同士で協力し合い,効率のよいゲームプレイをしていることがわかった.