- 著者
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喜多 泰代
Ralph Highnam
Michael Brady
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.8, pp.3209-3218, 1999-08-15
異なる角度から撮影された乳部X線画像 Cranio-Caudal(CC)画像とMedio-Lateral Oblique(MLO)画像間の対応を撮影中の乳部の変形を考慮して求める手法を提案する. この異種画像間の対応は 初期癌の早期発見 またその後の生検のため病変位置を決定するのに非常に重要である. これら乳部X線画像は 乳部をフィルムカセット板と圧迫板で各々のカメラ方向に圧迫しながら撮影される. 異なる方向への圧迫による撮影時の乳部の形状の違いにより 対応点は しばしばステレオ画像の通常のエピポーラ線から大きく離れた位置に現れる. 本論文で提案する手法では CC画像上の1点に対応する3次元空間上の存在可能位置を表す線分の乳部圧迫による変形と投影のシミュレーションを行うことにより MLO画像上の対応線("ゆがんだエピポーラ線")を算出する. 複雑なうえに必要条件がすべて既知でない状態でのシミュレーションを可能とするため 物理的変形の原理を考慮した多くの近似を工夫している. 多数の実画像を用いた実験により その有効性を示す.