著者
永西 修 四十万谷 吉郎 仮屋 喜弘 池田 健児 村井 勝
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.146-149, 1996-07-30
参考文献数
17
被引用文献数
2

セスバニアロストラータ(Sesbania rostraata)に濃厚飼料および青刈りトウモロコシ(Zea mays L.)を混合し,サイレージの化学成分および発酵品質に及ぼす影響について検討した。セスバニアロストラータへ玄米,ビートパルプ,フスマおよび圧片トウモロコシを混合することで,サイレージのin vitro乾物消化率(IVDMD)は高くなり,発酵品質ではpHが低下するとともに,酢酸含量の減少と乳酸含量が増加する傾向が認められ,フスマを添加した場合にその改善効果は顕著であった。セスバニアロストラータと青刈りトウモロコシの混合サイレージでは,青刈りトウモロコシの混合割合が高くなるにつれて,粗蛋白質含量,細胞壁の有機物部分および酸性デタージェント繊維含量が低下し,逆にIVDMDは高くなった。また,サイレージの発酵品質では青刈りトウモロコシの割合が高くなるにつれて,pHが低下するとともに総窒素に占める揮発性塩基態窒素の割合が減少し,乳酸含量が増加した。以上のことから,セスバニアロストラータへの濃厚飼料や青刈りトウモロコシの混合は,消化率の向上や発酵品質の改善の面から有効なサイレージ調製法であることが明らかとなった。