著者
小林 泰男 小池 聡 永西 修 竹中 昭雄
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

新規メタン低減物質候補であるカシューナッツ殻油の反芻家畜への給与効果と作用機序について検討した。殻油はルーメン内の細菌の増殖を選択的に抑制することで菌叢が変化し、低メタン・高プロピオン酸生成型の発酵が導かれた。その結果、飼料消化や健康をがい阻害することなく、20%以上のメタン低減が可能となった。このように効果的な天然物質は初めてのもので今後の実用化が期待される。

1 0 0 0 OA 飼料学(50)

著者
永西 修 山崎 信 朝井 洋
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.785-791, 2008 (Released:2011-01-18)
著者
永西 修 山崎 信 朝井 洋
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.785-791, 2008-07

飼料学。排泄物の処理と低減。反芻動物、家禽、馬、動物園動物。畜産経営での集約化や規模拡大、生産レベルの向上に伴い、糞尿中に排泄される栄養成分が環境負荷の原因として重要視されている。糞尿中には大気、水質、土壌などの環境に負荷を与えるN、P、Kなどが含まれている。畜産経営により生じる環境負荷を軽減するためには、環境へ流入する糞尿由来の成分量を正確に把握するとともに、糞尿中に排泄される成分量に影響を与える要因を解析し、排泄量の低減法を解明する必要がある。また、バイオエタノールによる穀物市場価格の高騰が生じており、畜産経営を圧迫している。飼料栄養成分の家畜での利用性向上は、環境問題の低減ばかりではなく、飼料コスト低減の面でも大きな効果が期待できる。
著者
永西 修 寺田 文典 石川 哲也
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.599-603, 2002-02-15
被引用文献数
3

実験1ではアミロース含有率が異なる3品種(コシヒカリ, ミルキークイーン, コシヒカリ糯の玄米について, 実験2では窒素の施用水準を変えて栽培した2品種(アケノホシ, 夕カナリ)の玄米について, 飼料成分とナイロンバック法で第一胃内消化性を比較検討した。実験1で供試した玄米の飼料成分には品種間で明瞭な違いはなかったものの, 乾物(DM), 粗タンパク質(CP)およびデンブンの第一胃内での有効分解率(ED)はアミロース含有率が低い品種で高かった。また, 実験2では窒素の施用量の増加により玄米のCP含有率は増加するとともに, CP中の結合性タンパク質比率は低くなった。DM, CPおよびデンプンのEDは施肥条件による明瞭な違いは認められなかったものの, いずれのEDもタカナリがアケノホシよりも有意に低かった。以上のことから, 玄米の第一胃内DM, CPおよびデンプンの消化性はCP含有率よりもアミロース含有率に影響を受けると考えられた。
著者
永西 修 四十万谷 吉郎 仮屋 喜弘 池田 健児 村井 勝
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.146-149, 1996-07-30
参考文献数
17
被引用文献数
2

セスバニアロストラータ(Sesbania rostraata)に濃厚飼料および青刈りトウモロコシ(Zea mays L.)を混合し,サイレージの化学成分および発酵品質に及ぼす影響について検討した。セスバニアロストラータへ玄米,ビートパルプ,フスマおよび圧片トウモロコシを混合することで,サイレージのin vitro乾物消化率(IVDMD)は高くなり,発酵品質ではpHが低下するとともに,酢酸含量の減少と乳酸含量が増加する傾向が認められ,フスマを添加した場合にその改善効果は顕著であった。セスバニアロストラータと青刈りトウモロコシの混合サイレージでは,青刈りトウモロコシの混合割合が高くなるにつれて,粗蛋白質含量,細胞壁の有機物部分および酸性デタージェント繊維含量が低下し,逆にIVDMDは高くなった。また,サイレージの発酵品質では青刈りトウモロコシの割合が高くなるにつれて,pHが低下するとともに総窒素に占める揮発性塩基態窒素の割合が減少し,乳酸含量が増加した。以上のことから,セスバニアロストラータへの濃厚飼料や青刈りトウモロコシの混合は,消化率の向上や発酵品質の改善の面から有効なサイレージ調製法であることが明らかとなった。