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四時庵形影
- 出版者
- 写
四時庵形影編、琴鱗画の朝顔図譜。文化14年(1817)正月刊『朝顔叢』(当館請求記号:特1-2377等)2巻の写本。筆彩。外題は表紙に直書きで「朝顔図考 乾(坤)」とあるが、後のもの。上冊、口絵、題言、自序、凡例、目次を備えており、板本の忠実な転写と考えられる。 文化13年(1816)冬の杏花園主人(大田南畝)の序に「丙子秋日都人士、大闘花于浅草大円寺、再闘爾東睿子院、一時喧伝嘖々不已」とあり、当時の江戸では、大坂から転移した、朝顔合で勝負を競う品評会が盛んに行われていた。形影の序に「江都に翫ふもの今凡七百余品、予か見るところのものわつかに一々にうつして五百余種、各/\形葉をことにし艶色を異にす」とあるが、本図譜は、乾冊、坤冊合わせて50丁100図の朝顔図を収める。各絵は、花と葉の形容について、彩色で表現し、詞書きとして、品種の名称と同種の数を書き添え、同種の内の細かい相違については、色合いなどを注記する。(鈴木淳)(2016.2)