著者
樋野 雅浩 回渕 純治 宮崎 浩一
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2009-MPS-76, no.24, pp.1-6, 2009-12-10

本研究では,日経 225 オプション市場を分析対象として,BS モデルの拡張モデルであるデタミニステック・ボラティリティモデルや確率ボラティリティモデルに基づくオプションモデル価格がクロスセクショナルなオプション市場価格とどの程度まで整合するかについてラティスモデルの枠組みで比較検証を行う.デタミニステック・ボラティリティモデルとしては,BS モデルから満期におけるリスク中立分布の歪度や尖度を生成することが可能な局所ボラティリティの関数形 (tanh(x),sech(x)) を含むものまで 5 通りを分析対象とする.確率ボラティリティモデルとしては,ボラティリティが OU 過程に従う Heston モデルを表現するような離散確率ボラティリティモデルのみならず,ボラティリティの推移確率を柔軟にしたものまで 9 通りを分析対象として取り上げる.上記の整合性の観点から,デタミニステック・ボラティリティモデルにおける局所ボラティリティの関数形による効果が,確率ボラティリティモデルにおいてボラティリティの推移確率の柔軟性による効果と比較してどの程度であるかについて検証する.検証の結果,5 パラメータや7パラメータ・デタミニステック・ボラティリティモデルが極めて優れたモデルであることがわかった.
著者
伊東 賢二 宮崎 浩一 回渕 純治
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2011-MPS-86, no.6, pp.1-6, 2011-11-24

本研究では,小型株と大型株のポートフォリオリターンを対象に,株式売買のしやすさを表現する流動性指標 (流動性リスクの代用変数) と株価リターンの関係をレジームスイッチングモデルに基づき考察する.特にマーケットファクターに関する回帰係数もレジームに応じて異なる値をとることができるように既存モデルを拡張したモデルを用いて検証を行う.また,いくつかの仮定を置くことになるが,決定係数や回帰係数のt統計量の考え方を導入したうえで検証を行う.