著者
戸敷 浩介 周 敏敏 国包 章一
出版者
JAPAN MACRO-ENGINEERS SOCIETY
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-10, 2014

本研究では、拡大生産者責任の観点から中国と日本、韓国の廃電気・電子製品リサイクルの制度に関する国際比較分析を行い、中国における制度のあり方について考察した。2011年1月より、中国では初めてとなる「電気・電子製品廃棄物回収処理管理条例」が施行された。中国では、廃電気・電子製品は資源として価値が高く、正規のリサイクル業者は消費者からこれを買い求める逆有償の状況である。しかし、環境汚染や健康被害の防止のためのコストを負担しない非正規業者が、価値の高い廃電気・電子製品を高値で買い取ってしまうため、正規業者は購買力を高める必要に迫られている。本研究では、日中韓の比較分析を踏まえ、特に韓国における拡大生産者責任の仕組みを中国の制度においても導入すべきであり、生産者は消費者からの買取価格を含めてリサイクルコストを負担する必要があると考察した。