著者
園 良治
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
日本油化学会誌 (ISSN:13418327)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.1161-1168,1202, 1999-10-20 (Released:2009-11-10)
参考文献数
47

大豆レシチンは, 食品工業分野における重要な界面活性剤であり, 大豆から抽出した原油に加水し, 分離したガム質を乾燥することにより得られる。この総説では, 先ず品質の良いレシチンを得るために重要な問題点と, 筆者らで実用化した粗レシチンの直接濾過法による新規な精製法について紹介し, 近年開発され市販されている脱脂レシチン, 分別レシチン, 酵素分解レシチン, 水素添加およびヒドロキシル化等の化学修飾レシチンの製造法と特徴についても紹介した。これらの新規な製造法によって得られる生理機能に優れたレシチンが, 食品分野のみならず医薬・化粧品分野へも発展していくことを期待する。