- 著者
-
岡 三喜男
土井 誠志
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
- 雑誌
- 肺癌 (ISSN:03869628)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.7, pp.837-842, 2003-12-20 (Released:2011-08-10)
- 参考文献数
- 34
目的・方法. トポイソメラーゼI阻害剤の塩酸イリノテカン (CPT-11) とプラチナ製剤のカルボプラチン (CBDCA) には交叉耐性がなく, 副作用のプロファイルが比較的異なり, またin vitro併用で相乗効果がみられている. ここでは肺癌におけるCPT-11+CBDCA併用療法の成績とタキサンを加えた3剤療法について述べる. 結果. 第1相とII相試験の成績では, CPT-11+CBDCAの奏効率は小細胞肺癌に対して79~89%, 進行非小細胞肺癌に対して22~36%と1年生存率37.6~42.2%である. タキサンを加えた3剤併用では奏効率32~56%, 中間生存期間は11~16カ月であるが有害事象の頻度は高い. 主な有害事象は白血球減少, 好中球減少, 血小板減少, 下痢である. 結論. CPT-11+CBDCAは他の併用療法と比較的同等の有用性を示し, とくにシスプラチン投与ができない症例, 心機能や腎機能低下症例, 外来治療には推奨される. (肺癌. 2003; 43: 837-842)