著者
土屋 佳紀
出版者
農林水産技術情報協会
雑誌
農林水産技術研究ジャーナル (ISSN:03879240)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.41-44, 2001-03-01

人工遺伝子では配列を自由に設計できるので,ハイブリッド蛋白質や人工生命体など自然界に存在しないものを創生する無限の可能性を秘めている。しかし,これまで人工遺伝子の合成は作業工程が煩雑で数ヵ月から数年という長時間を必要とする方法しかなく,実用化が遅れていた。そこで,短鎖DNA同士を互いを鋳型として酵素で相補させることによって人工遺伝子を短時間で簡単に作製する手法を開発した。医薬品の生産や遺伝子治療などの医学分野から,滅亡した生物の復活など考古学領域に至る幅広い応用が期待される。