著者
土屋 好古
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、ロシア第一次革命を、伝統的な帝国的統治と「長期の19世紀」という時代の大きな要素であった国民形成との相克という観点から考察した。第一に、日露戦争の失敗の中で、専制体制を批判する左派自由主義の人びとは、明治維新後立憲体制を構築し国民国家となった日本を一つのモデルとしたこと、第二に彼らの構想は、「性と民族の別なき四尾選挙」に基づく市民的国民形成を志向するものであったこと、などを明らかにした。