著者
土屋 明彦
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.94-98, 2009-01

昭和の伝統を発する追進農場から「開かれた学校」を目指す平成の組織改革に至る。愛知県立農業大学校は、農商務省愛知種馬所(明治43年)、愛知県種畜場(大正13年)を経て、昭和9年に追進農場として創設されました。現在でも正門は愛知種馬所を残す馬頭道と称する道路に面し、樹齢100年余の松並木の中に、当時の近代建築の追進館講堂(昭和10年)、追進資料室(昭和16年)が建っています。追進館といえば、朝の連続ドラマ(NHK)「純情きらら」の撮影が行われ、追進館に入ると主演の「宮崎あおい」ふんする桜子がピアノを弾く様子や、当時の追進農場で学ぶ学生の様子がセピア色に浮かんでくるようです。以来、農業後継者の育成を目的とした追進営農大学校となり、昭和59年に農業改良普及員等の農業技術指導者の養成を目的とした農業技術大学校を加え、今日の総面積38.99haの愛知県立農業大学校となりました。平成15年には中央教育棟が建設されました。現在、教育部農学科(岡崎キャンパス)、同研究科(長久手キャンパス)、研修部の2部2科制で構成され、「若者に夢と希望を抱かせる学園」、「開かれた農業大学校」を目指しています。平成20年度は、多岐の社会情勢からより魅力ある学校とするため学校教育法に基づく「専修学校」となり、それにより卒業者には「専門士」の資格が与えられるとともに、4年制大学への編入が可能となりました。