著者
有隅 晋吉 中村 哲郎 中川 剛 伊藤田 慶 進 悟史 岩崎 賢優 土屋 邦喜
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.784-789, 2019-09-25 (Released:2019-12-17)
参考文献数
13

【はじめに】高齢化に伴い大腿骨近位部骨折患者数は増加傾向にあり,再手術を要する症例も少なくない.当院で施行した大腿骨近位部骨折の再手術症例について調査した.【対象と方法】過去10年の大腿骨近位部骨折に対する手術症例1182例のうち,再手術を施行した47例(男性10例,女性37例,平均年齢77歳)を対象とした.骨折部位は大腿骨頚部36例,転子部6例,転子下5例であった.術式は初回手術が骨接合術33例,人工物置換術14例,再手術が人工物置換術34例(THA 29例BHA 5例),骨接合術12例,抜釘1例であった.【結果および考察】再手術となった主な原因は手術の不適切な適応・手技(40%),転倒(30%),外傷性骨頭壊死(21%)であった.Conversion THA後の経過は概ね良好であったが,周術期合併症の報告は多く,特に術中の出血や骨折,術後脱臼には注意する必要がある.