著者
土田 浩之 棚橋 雅幸 鈴木 恵理子 吉井 直子 渡邊 拓弥 千馬 謙亮 喚田 祥吾 井口 拳輔 内山 粹葉
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.116-121, 2021-03-15 (Released:2021-03-15)
参考文献数
13

過去13年間において当院で手術加療した特発性血気胸15例について臨床的特徴を検討した.診断から手術までの平均時間は28.3時間(2-87時間).手術アプローチは小開胸を併用した胸腔鏡下手術13例,3PORTの胸腔鏡下手術2例であった.全例で胸腔頂部壁側胸膜の血管が出血源と同定でき,5例で複数ヵ所から出血を認めた.総出血量は平均1,298 mL(200-2,670 mL)で4例に輸血を要し,うち2例は術前にショック症状を呈していた.術後胸腔ドレーン留置期間は平均3.1日(2-7日)で,術後平均在院日数は5.4日(3-8日)であった.特発性血気胸は出血性ショックのリスクが高く緊急手術の適応と考えられ,手術の際は詳細な胸腔内観察が重要である.