著者
土谷 彰義 山内 利宏 谷口 秀夫
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.1539-1553, 2016-06-15

利用者が優先したい処理のファイルアクセスを高速化するには,その際の入出力バッファのキャッシュヒット率を向上させることが有効である.そこで,入出力バッファを2つの入出力バッファ領域に分割し,指定されたディレクトリ直下のファイルを優先的にキャッシュするディレクトリ優先方式が提案されている.しかし,この方式は,優先的にキャッシュするファイルの入出力バッファ領域サイズを単調増加させる.このため,他方の入出力バッファ領域サイズが単調減少し,そのキャッシュヒット率が大きく低下し,計算機全体の性能低下を招いてしまう問題がある.そこで,本論文では,各入出力バッファ領域のキャッシュヒット率に着目した入出力バッファ分割法を提案する.具体的には,優先的にキャッシュするファイルのキャッシュヒット率を高く維持できる範囲で,そのほかのファイルのキャッシュヒット率の低下を抑制するように入出力バッファを分割する.提案方式を実現し,評価により,その有効性を示す.