著者
坂崎 貴俊 加納 靖之 大邑 潤三 服部 健太郎
出版者
京都大学生存圏研究所
雑誌
生存圏研究 (ISSN:1880649X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.64-70, 2015-11-10

1856年09.月23日(旧暦安政3年08月25日)に江戸を直撃した台風について調べた。主として安政風聞集に基づき被害状況を報告すると共に、各地の日記記録などを併せて台風の進路を含む当時の気象場を推定した。その結果、台風は太平洋上を猛スピードで北上し相模に上陸、江戸の西側を通過して北へ抜けたと推定される。猛烈な風による吹き寄せ効果により急激な高潮が生じたことが、人的・物的被害を拡大させた最大の要因と考えられる。