著者
坂巻 文彩
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.399-413, 2023-12-20 (Released:2023-12-16)
参考文献数
24

本研究は,インターンシップ参加を目指す学生に対し,大学が,どのような参加計画が効果的であるかを指導する際に有用なノウハウの取得を目的とする.分析データは,内閣府が大学生を対象に実施した調査結果によるものである.本研究では社会科学系学生に焦点を絞り,インターンシップ参加の,日数および回数と効果との関連性を軸にした検討を行っている.明らかになった主要点は,以下の2点である.第一は,「1日間」のインターンシップは,参加回数が増すにつれ,効果は増す一方で,中(2~5日間)・長期間(6日間以上)のインターンシップは,「1回」参加の場合に効果が,もっとも得られた点である.第二は,学生の性別,大学の設置形態,偏差値,所在地等の条件(統制変数)の影響を分析すると,効果の出方が一様ではなく複雑であるという点である.インターンシップへの参加にあたり,参加の日数,回数の組み合わせを重視する必要がある.