著者
藤本 徹
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.351-361, 2015

近年,ゲームを取り入れた教育方法への関心は世界的に高まっており,教材としてゲームを利用するだけでなく,授業や学校カリキュラムなどの学習活動全般においてゲーム要素を取り入れた「教育のゲーミフィケーション」とも言える取り組みが見られるようになった.本研究では,大学の授業科目のデザインにゲーム要素を取り入れた「クエスト授業」の教育実践に3年間取り組んだ.実践結果から,課題への取り組みが活発になり,受講者が学習活動に参加する楽しさややる気の高まり,従来の授業とは異なる経験を認識していたことが確認された.
著者
松村 敦 森 円花 宇陀 則彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.125-128, 2016

絵本の読み聞かせを効果的に行うための読み方の1つとして,登場人物の演じ分けが子どもに与える影響について検討した.具体的には,物語理解と物語の印象の2つの側面における子どもへの影響を実験的に明らかにすることを目的とした. 5,6歳児23名に対して,登場人物を大げさに演じ分けて読み聞かせる演じ分け群と演じ分けをしない統制群の2グループに分けて,物語理解度を測るテスト,物語の印象を聞く質問を行った.実験の結果,演じ分けによって物語理解には影響がなかった.ただし,登場人物の心情を問う項目については,統制群の方が高いという傾向が示された.また,物語の印象では,演じ分け群の方が印象が偏る傾向がみられた.
著者
牧村 真帆 山内 祐平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.173-176, 2009

ワークショップのデザインプロセスのうち,初期段階のアイディアの生成過程における実践家の思考過程を明らかにすることを目的とし,6名の実践家を対象に,思考発話法と半構造化インタビューを用いて実験を行った.案の生成と下見時の空間体験との関係について分析を行った結果,新たな案が生まれる際に,空間がそのきっかけとなっていることが明らかになった.また,デザインプロセスにおいて既出の案が別の案へと展開される際にも,多くの場合空間に関する気づきや解釈がきっかけとなっていることがわかった.
著者
富田 英司 水上 悦雄 森本 郁代 大塚 裕子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.431-440, 2010
被引用文献数
1 or 0

本研究は,6名程度のグループにおいて第三者の援助なしに自ら話し合いを進めるスキルである「自律的対話能力」の獲得を促進する要因として,議論への参加順序およびグループサイズの効果を検討した.議論活動の評価は参加者の自己評定値によって行った.評価は「誠実な参加態度」「対等な関係性」「議論の活発さ」「意見の多様さ」「議論の深まり」「議論の管理」「議論の積み上げ」の7観点で行われた.参加者は大学生89名であった.分析の結果,議論の活発さを促進するためには,他のグループが議論する様子を観察した後で議論に参加させ,グループサイズを6名で一定にしておく,あるいは徐々に増加させることが有効であることが示唆された.議論の管理能力を促進するには,徐々にグループサイズを大きくしていくことが有効であることが示唆された.
著者
安斎 勇樹 森 玲奈 山内 祐平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.135-145, 2011
被引用文献数
1 or 0

本研究の目的は,協同制作を課題とした大学生向けのワークショップにおいて,創発的コラボレーションを促すためのプログラムデザインの指針を示すことである.本研究では,創発の源泉としての「矛盾」の効果に着目し,「作品の制作課題に,相反するイメージを持ちながら多様な解釈の可能性を持った2つの条件を設定する」というデザイン原則を仮説として設定した.デザイン原則に基づく実践を4回(全15グループ),比較対象としてデザイン原則に基づかない実践を4回(全11グループ)行い,各グループの制作プロセスを質的に分析した.その結果,デザイン原則に基づく実践においては,制作中に提案されたアイデアや制作物に対する視点に揺さぶりがかかり,創発的コラボレーションが促されることがわかった.ただし,参加者が設定した2条件を「相反するもの」として解釈しなかった場合は,視点の揺さぶりがかからないために創発的コラボレーションは起こりにくいことがわかった.その点に留意すれば,本研究で提案したデザイン原則は有効であることが示された.
著者
太田 剛 森本 容介 加藤 浩
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.197-208, 2016-12-24 (Released:2017-03-23)
参考文献数
26

本稿では,初等中等教育において全国レベルでプログラミング教育が実施されている英国,オーストラリア,米国のカリキュラムを調査し,その内容を総括的に述べる.各国とも情報教育として,プログラミング教育を包含するコンピュテーショナルシンキングの考え方を中核にして,抽象化,問題の分析,アルゴリズム,データ活用,評価,協働作業等の能力の育成を目指した学習内容を定義している.各国のプログラミング教育は類似した内容で,小学校低学年ではロボットやパズルを使用して手順の指示を行い,小学校高学年ではビジュアル言語を使用して分岐や反復を含むプログラムを制作し,中学校高校ではテキスト言語を使用して複数のデータ型やモジュールを含むプログラムを開発する.また,従来のICTの基本的操作,情報倫理,情報の安全教育などを小学校低学年から実施するなど総合的な情報教育の面もある.
著者
渡邉 文枝 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
(Released:2017-04-20)
参考文献数
21

本研究では,MOOCに代表されるオンライン講座におけるドロップアウト率の低減を図るための示唆を得るために,JMOOCの講座における学習者のeラーニング指向性と相互評価指向性(相互評価への信頼感,相互評価の有用感)が学習継続意欲と講座評価に及ぼす影響について検討した.その結果,eラーニング指向性は,相互評価の有用感と学習継続意欲,講座評価に正の影響を及ぼすことが示された.相互評価指向性においては,相互評価への信頼感から講座評価に正の影響を及ぼすことが示された.相互評価の有用感は相互評価への信頼感と学習継続意欲,講座評価に正の影響を及ぼすことが示された.また,相互評価の有用感は,学習継続意欲と講座評価に対して最も大きな正の影響力を示した.これらのことから,eラーニング指向性と相互評価指向性は学習継続意欲と講座評価に寄与することが示唆された.
著者
スカーダマリア マリーン ベライター カール 大島 純
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.197-208, 2010
被引用文献数
2 or 0

本稿では,まず,学習環境のデザインにおいてこれまで重視されてきた「共同体(community)」の視点の歴史的変遷を概観する.その上で,現在広く利用されている「学習共同体(community of learners)」アプローチと著者らの提案する「知識構築共同体(knowledge building community)」の比較検討をとおして,「導かれた発見(guided discovery)」から「知識創造(knowledge creation)」という認識論的移行を検討する.そして最後に,こうした認識論の違いが教室環境をデザインする際に,その要素技術の選択や開発にどのような影響を及ぼし,さらには学習者の認知的活動にどういった違いが現れるのかについて,国内の実践例をもとに議論を展開する.
著者
舟生 日出男 加藤 浩
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.309-319, 2010

近年,卒業論文や修士論文の研究課題を設定する能力が低い工学系の学生が増えている.そこで本研究では,「課題の設定に関わる力」の効力感を高めるために,CSCLシステム「ProBo」を取り入れて,「協調的調査活動」をデザインし,大学院の授業の中で実践した.協調的調査活動とは,A)先行研究とそれに関連する文献を調査し,その研究の特徴として,位置づけや実現している範囲について吟味し,ドキュメントとしてまとめ,B)ドキュメントについての相互閲覧や質疑応答,発表,それらの結果を踏まえたドキュメントの改善を行う活動である.自己評価や相互評価,質問紙調査の結果,学生の多くは実践を通して,情報活用能力とプレゼンテーション能力について,効力感が得られたことが明らかになった.また,相互にドキュメントを閲覧したり,質疑応答することの有効性についても,多くの学生に認められた.
著者
堀田 龍也 高橋 純
出版者
日本教育工学会 = Japan Society for Educational Technology
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.329-338, 2006
被引用文献数
7 or 0

小学生を対象とした日本語キーボード入力学習システム「キーボー島アドベンチャー」を開発した.小学生の日本語キーボード入力の速さと正確さを向上させるための学習システムの設計原理として検定機能を実装した.2003年5月から2ヶ月間,19校の小学生1,897名によるモニター評価によって正式運用前に検定級の見直しと大量アクセスへの対応等の調整が行われた.2003年9月に全国の小学生に無料で公開され,2004年3月までの正式運用において52,326名の児童が本サイトで学習をした.登録者数の多かった3年生から6年生を対象として学習履歴を分析したところ,本システムが小学生の日本語キーボード入力の速さと正確さを向上させており,その向上には検定機能が有効にはたらいていることが確認された.
著者
森 玲奈
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.445-455, 2008
参考文献数
47
被引用文献数
2 or 0

研究の目的は,ワークショップのデザイン過程におけるベテラン実践家の特徴的思考を明らかにすることである.本研究では,ベテラン実践家とその集団に属する初心者2組を選定し,発話思考法を用いた実験を行った.分析は,まずベテラン-初心者間における発話の流れを比較し,その上で2人のベテランに共通する特徴を検討した.その結果,ベテランにおけるデザイン時の発話には,依頼内容の確認・解釈の後,コンセプトの立案を行うという共通の流れがあることが明らかになった.また,ベテランの特徴として,(1)依頼内容に対する幅広い確認を行うこと,(2)デザインの仮枠となるデザインモデルを使用すること,(3)保留や選択の余地を残した「やわらかな決定」を行うこと,(4)スタッフの育成に対する意識とデザイン力を持つこと,(5)過去の実践体験の想起や経験から構築された慣習を用いてデザインを行うこと,が明らかになった.さらに,ベテランには経験に裏づけられた「個人レベルの実践論」があることが示唆された.
著者
今満 亨崇 松村 敦 岸 広至 宇陀 則彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.189-192, 2012
参考文献数
13

子どもが「おもしろい」と感じる絵本を推薦するシステム構築の基礎的準備として,絵本の主題が子どもの反応とどのような関連を持つのか検討を行った.そのために,34組の親子による絵本の読み聞かせを記録し,ページ毎の絵本の主題と子どもの反応の関連を分析した.その結果,「見る」,「座る」,「考える」,「失敗する」,「話す」,「住居」,「楽しむ」,「他者を認識する」の8主題について子どもが好きな絵本で見せる反応と関連があることが分かった.さらに,個々の反応と主題の関連を分析することで子どもの反応を扱う際の問題点を明らかにした.
著者
佐藤 朝美
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.33-42, 2008
参考文献数
20
被引用文献数
5 or 0

本研究では,幼児期の5歳半頃から活発にみられるようになる物語行為を支援するソフトウェアを開発する.本ソフトウェアにより幼児の物語行為を活性化し,発話の種類を増加させ,前後文の統合を支援することを目的とする.支援形態は,幼児の物語産出の発達過程の先行研究や物語支援システムの先行研究の知見から検討し,機能を実装した.本ソフトウェアの効果の検討を行う為,5歳児を対象に紙を使った作話との比較実験を行った.その結果,ソフトウェアの機能を使用しながら作話することにより,発話が活性化され,発話の種類も増えることがわかった.特に,登場人物の表情を付加する機能から心情に触れる発話が増加した.また,話の前後文が統合され,聞き手に理解しやすい内容になるという結果が得られた.
著者
舘野 泰一 大川内 隆朗 平野 智紀 中原 淳
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.241-254, 2013

本研究では,正課課程外におけるアカデミック・ライティングの指導を想定し,チューターによる学生の「執筆プロセスの理解」を支援するために,レポートの執筆プロセスを可視化することのできるシステム「レポレコ」を開発した.「執筆プロセスの理解」とは,チューターが,学生の文章生成過程を把握することである.開発したシステムの特徴は執筆プロセスの記録・可視化である.学生がレポートを執筆する過程を一字一句自動で記録し,可視化することができる.このシステムを使うことで,チューターの「執筆プロセスの理解」を促すことができる.実験の結果,システムを使用することで,チューターの「執筆プロセスの理解」につながることが示唆された.
著者
舘野 泰一 中原 淳 木村 充 保田 江美 吉村 春美 田中 聡 浜屋 祐子 高崎 美佐 溝上 慎一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-11, 2016-06-20 (Released:2016-06-17)
参考文献数
27

本研究では,大学での学び・生活が就職後のプロアクティブ行動にどのような影響を与えているかを検証するために質問紙調査を行った.本研究の特徴は2点ある.1点目は縦断調査という点である.近年,大学教育において「学校から仕事への移行」に関する調査研究は増えてきているが,その多くは振り返り調査という限界があった.2点目は,就職後のプロアクティブ行動に着目した点である.プロアクティブ行動とは,個人の主体的な行動のことであり,近年大学教育で議論されてきた「主体的な学び」の成果に関連が深い.しかし,これまでその影響について検証されてこなかった. 共分散構造分析を行った結果,1.授業外のコミュニティを持っている学生,2.大学生活が充実している学生ほど,就職後にプロアクティブ行動を行っていることが明らかになった.
著者
坂本 篤郎 堀田 龍也 山内 祐平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.85-88, 2009

初等教育の教科学習での協調学習場面において,教師が学習者のどのような要因に着目して足場はずし(Fading)を行うのか明らかにすることを目的とし,10名の小学校教師に対して質問紙と半構造化インタビューを用いて調査を行った.抽出された足場はずしを,それらが行われた際の理由や状況によって類型化した結果,3つのカテゴリ,7つのサブカテゴリに分類することができた.以上より,教師が協調学習場面で足場はずしを行う際に認識している観点が示された.
著者
小山 義徳
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.351-358, 2009
被引用文献数
1 or 1

英文速読指導が大学生の英語リスニング能力の伸長に効果があるか検討を行った.まず,予備実験を行い,英語リスニング得点高群と低群の英文読解時の読み戻り数を比較した.その結果,高群は低群と比較して読み戻り数が少ないことが明らかになった.本実験では速読訓練を行うことで読み戻り数が減少し,入力情報を継時的に処理するスキルが向上することで英語リスニング能力の伸長につながるのか,ディクテーション訓練との比較検討を行った.8週間の間,速読群(24名)には週1回10分間の英文速読訓練を行い,ディクテーション群(18名)には8週間の間,週1回10分間のディクテーション訓練を行った.その結果,ディクテーション群のリスニング能力は伸びなかったが,速読群のリスニング成績が向上し,英文速読訓練を行うことで読む速さが向上するだけでなく,副次的に英語リスニング能力も伸長する可能性があることが明らかになった.
著者
菅原 真悟 鷲林 潤壱 新井 紀子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.135-146, 2012

児童がサイバー犯罪の加害者となるケースの増加にともない,「情報倫理」や「法の理解や遵守」を習得させるための情報モラル教育の必要性が増している.しかし,著作権のような抽象度が高く日常生活とも関わりが少ない概念を,児童が理解することは難しい.本研究では,このような抽象的な概念を教えるための,効果的・効率的な教授法について分析を行った.情報モラル教育の教授法を(1)教材中心の「教材」型授業,(2)体験中心の「体験」型授業,(3)その両方を行う「両方」型授業の3つに定義・分類し,埼玉県K小学校5・6年生を対象に,3つの教授法による学習効果を比較する実践授業を行った.その結果「両方」型授業は,児童が体験したことを,教材を用いて言語化して理解できるため,抽象的概念を理解させるのに効果的であり,かつ他の教授法と比べて情報化社会に参画しようとする意欲を育む効果があることが示された.
著者
松河 秀哉 北村 智 永盛 祐介 久松 慎一 山内 祐平 中野 真依 金森 保智 宮下 直子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.307-316, 2007
被引用文献数
4 or 0

本研究では,高校生から得られたデータに基づいて,データマイニングを活用した学習方略フィードバックシステム「学習ナビ」を開発した.システムの試験運用をふまえ,(a)モデルの妥当性(b)学習ナビで利用したメタファの有効性(c)ユーザからの主観的評価の観点から評価を行い,以下の結果を得た.(a)モデルが仮定する学力差が評価モニタにもみられ,モデルの妥当性が示唆された.(b)学習方略の達成度を表す信号機メタファについて,解説画面の閲覧時間の差から有効性が確認された.学習方略の順序性を表す一本道メタファは,評価モニタの約半数の理解を得た.(c)一部のユーザからアニメーションの長さを指摘された以外は,システム全体として好意的な評価を得た.
著者
松村 敦 森 円花 宇陀 則彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, no.Suppl, pp.125-128, 2016-01-25 (Released:2016-02-12)
参考文献数
9

絵本の読み聞かせを効果的に行うための読み方の1つとして,登場人物の演じ分けが子どもに与える影響について検討した.具体的には,物語理解と物語の印象の2つの側面における子どもへの影響を実験的に明らかにすることを目的とした. 5,6歳児23名に対して,登場人物を大げさに演じ分けて読み聞かせる演じ分け群と演じ分けをしない統制群の2グループに分けて,物語理解度を測るテスト,物語の印象を聞く質問を行った.実験の結果,演じ分けによって物語理解には影響がなかった.ただし,登場人物の心情を問う項目については,統制群の方が高いという傾向が示された.また,物語の印象では,演じ分け群の方が印象が偏る傾向がみられた.